PDFビューア工房AIちいちゃんの使い方|PDFを読む・抜き出す・Markdownにする

PDFをちょっと読みたいだけなのに、ソフトを開いたらメニューがずらっと並んでいる。「読むだけなんだけどな……」となること、ありますよね。PDFビューア工房AIちいちゃんは、PDFを開いて読む、文字を探す、必要なページを抜き出す、文章として書き出すための単体HTMLツールです。

右側の操作メニューは閉じられ、本文は最後のページまで続けてスクロールできます。文字情報のあるPDFなら、TXTやMarkdownとして文章を取り出し、ChatGPTで直したり、PDF作成工房へ持っていったりできます。この記事ではVer.0.1.2の仕様と使い方を紹介します。

PDFビューア工房AIちいちゃんでできること

中心になるのは「読む」「探す」「抜き出す」「文章にする」の4つです。本文を直接書き換えるPDF編集ソフトではなく、閲覧と日常的なページ操作に絞っています。

  • PDFを開き、連続スクロールで読む
  • ページ番号やサムネイルから移動する
  • 拡大・縮小・ページ幅合わせ・全体表示を使う
  • 1ページ表示と2ページ見開きを切り替える
  • 本文を検索し、一致するページへ移動する
  • ページを左右90度回転する
  • 指定ページを抽出する、指定ページを除いて保存する
  • 複数のPDFを並べ替えて結合する
  • 文章をTXT・Markdownへ書き出し、修正・コピーする
  • ページ別のメモを付け、TXTで保存する

元PDFを直接上書きすることはありません。回転、抽出、ページ削除、結合の結果は、新しいPDFとして保存します。PDFの処理に使うプログラムと文字表示用のデータはHTMLへ内蔵し、読み込んだPDFを外部サーバーへ自動送信しません。

STEP 1.HTMLを開いてPDFを読み込む

ダウンロードしたHTMLファイルを、PCのChrome系ブラウザで開いてください。右側の操作メニューにある「PDFを開く」を押して、端末内のPDFを選びます。PDFファイルを画面へドラッグ&ドロップしても開けます。

PDFを開くと、操作メニューにファイル名・ページ数・ファイルサイズが表示されます。PDFにタイトル情報がある場合は、それも表示します。パスワード付きPDFでは入力画面が出る場合がありますが、パスワード付きPDFの加工・書き出しには対応していません。パスワードを解除する機能もありません。

STEP 2.操作メニューを閉じて、大きく読む

画面右上の「操作メニューを閉じる」を押すと、右側のパレットが隠れ、PDFを表示する場所が広がります。操作したくなったら「操作メニューを開く」を押してください。上のメニューが本文を大きく押し下げない構成です。

小さい画面では操作メニューを重ねて表示し、最初は閉じています。スマホでも閲覧やページ移動を使える画面構成ですが、PDFの加工や長文の書き出しはPCでの利用を基本にしてください。

STEP 3.スクロールとページ移動を使う

最後のページまで連続スクロールする

PDF本文の表示エリアをスクロールすると、次のページ、その次のページと続けて読めます。1ページごとにページ送りボタンを押す必要はありません。表示位置に合わせて現在のページ番号も更新します。

全ページを最初から高解像度で描画する方式ではありません。ページの置き場所を用意し、画面に近いページを順に描画します。遠くへ移動したページの描画データは解放して、長いPDFを読むときの負荷を抑えます。ただし、PDF自体が大きい場合や複雑な場合は、読み込みや描画に時間がかかることがあります。

指定したページへ移動する

操作メニューのページ番号欄へ数字を入力すると、そのページへ移動します。「◀」「▶」で前後へ、「最初」「最後」で先頭・末尾へ移動できます。ページ番号は、PDFの中に印刷されている番号ではなく、ファイルの先頭を1とした通し番号です。

左のサムネイルから選ぶ

左側にあるページ一覧の縮小画像をクリックすると、そのページへ移動します。現在のページは枠で強調します。縮小画像も、一覧の見えている範囲から順に生成します。

「☰ ページ一覧」を押すと、左側の一覧を表示・非表示にできます。右の操作メニューと左のページ一覧を両方閉じれば、読む場所をさらに広く使えます。

拡大・縮小・見開きを切り替える

「+」「−」で拡大・縮小できます。表示倍率の選択欄では、「100%」「ページ幅に合わせる」「1ページ全体表示」を選べます。文字を読みたいときはページ幅、全体の配置を確認したいときは1ページ全体表示が使いやすいです。

「1ページ表示」「2ページ見開き」も切り替えられます。見開きでは2ページずつ横に並べ、下へ続けて表示します。表紙だけを単独にしたり、綴じ方向を設定したりする機能はありません。

PDFの文章を検索する

操作メニューの検索欄へ言葉を入力し、「検索」を押します。Enterキーでも検索できます。文字情報のあるPDFを順に調べ、一致件数を表示します。

「前の一致」「次の一致」で、検索結果のあるページへ移動できます。同じページに複数の一致がある場合も、件数を順に進めます。文字の分割状態によっては、本文の一部を黄色で強調表示しますが、単語が複数の文字データにまたがる場合などは強調できないことがあります。

検索は抽出できる文字を対象にします。画像だけのスキャンPDFは検索できません。また、段組みや文字の配置によって、見た目どおりの文章として取り出せないPDFもあります。

ページを回転する

「左90°」「右90°」で、現在のページを回転できます。この操作だけでは元PDFは変わりません。回転した状態を保存するには、「保存・書き出し」を開き、「回転を反映して全ページ保存」を押してください。

「保存・書き出し」の中には「全ページを右90°」もあります。全ページの表示を回転したあと、同じ保存ボタンで新しいPDFへ書き出せます。ページ抽出や結合にも、現在のPDFで指定した回転を反映します。

必要なページだけ抜き出す・不要なページを除く

「保存・書き出し」を開き、対象を「現在ページ」「指定範囲」「全文・全ページ」から選びます。指定範囲では、次のように入力してください。

入力例対象
55ページだけ
10-2010〜20ページ
1,3,5-81、3、5〜8ページ
3,13ページ、1ページの順で抽出

番号は1から指定します。重複したページは1回だけ扱い、抽出では入力した順番を使います。存在しないページ番号や、逆向きの範囲は案内を表示します。

対象ページをPDF保存

「対象ページをPDF保存」を押すと、選んだページだけを新しいPDFへ保存します。初期ファイル名は元の名前-extracted.pdfです。

対象ページを除いてPDF保存

「対象ページを除いてPDF保存」は、選んだページを除いた残りを保存します。初期ファイル名は元の名前-remaining.pdfです。残りのページは元の順番を保ちます。すべてのページを除く操作はできません。

保存後も、いま表示している原本のページ構成は変わりません。結果を確認したい場合は、保存した新しいPDFを開いてください。

複数のPDFを結合する

「保存・書き出し」の「PDFを結合する」で、「PDFを追加」を押します。複数のファイルを選択でき、現在開いているPDFも結合一覧に入ります。

一覧の「↑」「↓」で順番を変え、追加したPDFの「外す」で対象から外せます。順番を確認して「この順番で結合して保存」を押すと、merged.pdfを保存します。

現在のPDFへ指定した回転は結合にも反映します。追加したPDFは、そのファイルに保存されている向きで結合します。パスワード付きPDFなど、加工できないファイルが含まれる場合は処理できません。結合後は、新しいPDFを開いてページ数と順番を確認してください。

文章をTXT・Markdownへ書き出す

「保存・書き出し」で対象ページを選び、「TXTを確認・書き出し」または「Markdownを確認・書き出し」を押します。現在ページ、指定範囲、全文のいずれも選べます。文字を抽出したあと、保存前の確認画面が開きます。

TXT書き出し

TXTは、文字を通常の文章として取り出す形式です。確認画面の文章を直接直してから、「ファイル保存」で元の名前.txtを保存できます。「全文コピー」なら、確認画面の文章をコピーします。

Markdown書き出し

Markdownでは、文字サイズや太字らしさ、行の長さなどを参考にして、タイトル・大見出し・小見出しを推定します。大きなタイトル候補は# タイトル、大見出しは## 見出し、小見出しは### 小見出しの形へ書き出します。

PDFの構造によっては、見出しを正確に判定できない場合があります。書き出し後に内容をご確認ください。大きな強調文字を見出しと判定したり、小さい見出しを本文として取り出したりする場合があります。元PDFの完全な再現を保証する機能ではありません。

画像は文章へ書き出しません。段組み、表、縦書き、繰り返しのヘッダー・フッターなども、そのままの構造を保つとは限りません。取り出した文章を確認して使ってください。

Markdownを確認・修正・コピーする

書き出し画面の大きな文章欄で、誤字や見出しを直接修正できます。見出しを付けるときは、#1つがタイトル、#2つが大見出し、#3つが小見出しです。

#タイトル

##大見出し

本文

###小見出し

本文

全角の#でも半角の#でも使え、スペースあり・なしにも対応します。保存やコピーのときは、見出しを標準の半角記法へ整えます。コードブロック内の記号は、そのまま残します。

「Markdownプレビューを見る」を開くと、見出しと文章の区別を簡易表示で確認できます。太字・表・画像などをすべて再現するプレビューではありません。「ファイル保存」で元の名前.mdを保存し、「全文コピー」で編集後の文章をコピーできます。

指定範囲の文章だけをコピーしたいときも、先に対象を「指定範囲」にして書き出し画面を開き、そこで「全文コピー」を押してください。この「全文」は、PDF全体ではなく、現在の書き出し画面に入っている文章全体を指します。

現在の1ページだけコピーする

操作メニューの「このページをコピー」では、現在ページから抽出した文字をコピーします。見出しを推定したMarkdownではなく、通常のテキストとしてコピーします。

PDF作成工房AIちいちゃんへ持っていく

取り出した文章を読みやすく直したい場合は、MarkdownをコピーしてChatGPTへ貼り、「この文章を読みやすく整えてください」と依頼できます。修正後の原稿をPDF作成工房AIちいちゃんへ貼り付ければ、表紙や目次を付けて新しいPDFへまとめられます。

流れは、古いPDFを開く→文章を取り出す→ChatGPTで修正する→PDF作成工房で新しいPDFにする、です。元PDFの本文を直接書き換えるのではなく、抽出した原稿から別のPDFを作り直します。

ページ別メモを付ける

「メモ」を押すと、現在ページのメモ欄が開きます。「ここ重要」「あとで確認すること」などを書いて、「このページのメモを反映」を押してください。ページ番号とメモを、この画面内で保持します。

「すべてのメモをTXT保存」では、ページ順にメモをまとめ、元の名前-notes.txtへ保存します。メモはPDFへ埋め込みません。画面を閉じたり新しいPDFを開いたりすると失われるため、必要なメモは先に保存してください。

画像だけのPDFでできること・できないこと

スキャン画像だけで作られたPDFも閲覧できます。ただし、文字情報がない場合は検索や文章の抽出ができません。抽出時には「このPDFには抽出可能な文字情報が見つかりません」という案内が出ます。

初号機にはOCRを搭載していません。画像を文字に変換する処理は行わないので、画像PDFを開いたのに文章を書き出せない場合は、故障とは限りません。文字情報があるPDFと画像だけのPDFが混在している場合は、文字のあるページだけを抽出することになります。

うまくいかないときは

PDFが開けない・処理できない

別のPDFでも試して、ファイル自体が正常に開けるか確認してください。パスワード付きPDFの加工には対応していません。大きなPDFや複雑なPDFは、処理に時間がかかる場合があります。

検索した言葉が見つからない

画像だけのPDFでは検索できません。文字情報があっても、単語が分割されている、文字の並びが異なるなどの理由で一致しない場合があります。短い言葉でも試してみてください。

書き出した文章の順番がおかしい

PDFには、画面で見えている順番と文字データの順番が一致しないものがあります。段組みや表を含む文章は特に確認してください。書き出し画面やChatGPTで整えてから利用しましょう。

コピーできない

ブラウザの制限で自動コピーできない場合があります。書き出し画面の文章を選択し、MacならCommand+C、WindowsならCtrl+Cでコピーしてください。

Ver.0.1.2の製品仕様

項目内容
名称PDFビューア工房AIちいちゃん
対象版Ver.0.1.2・単体HTML版
利用の基本PCのChrome系ブラウザ
入力端末内のPDF・ドラッグ&ドロップ
閲覧連続スクロール、ページ移動、拡大縮小、幅合わせ、全体表示、見開き
メニュー右側の開閉パレット・左側の開閉ページ一覧
検索文字情報のあるPDFが対象
ページ操作回転、抽出、指定ページを除外、PDF結合
文章出力TXT・Markdown。現在ページ/指定範囲/全文
文章確認書き出し前の修正、簡易Markdownプレビュー、コピー
メモページ別メモ・TXT保存。PDFへは埋め込まない
原本直接上書きせず、新しいPDFとして保存
データ処理ブラウザ内で処理。PDFを外部へ自動送信しない
OCRなし
パスワード解除なし。パスワード付きPDFの加工・書き出しは非対応

既存本文の直接編集、電子署名、フォーム作成、高度な注釈、スタンプ、手書き、クラウド保存、AI API接続、画像の直接編集、自由配置は搭載していません。PDFの中身を全部いじれるソフトへ広げず、読む・探す・抜き出す・文章にする用途に絞っています。

読むところから、次の原稿作りまで

読みたいときは左右のメニューを閉じて、PDFを大きく表示する。気になるページはメモを付け、必要な文章は取り出して修正する。まずはこのくらいの使い方から始めてみてください。

PDFを読む道具と、PDFを作る道具がつながると、手元の資料を新しい教材やマニュアルへまとめ直しやすくなります。古いPDFを開いたついでに、次の原稿の入口まで用意できる工房です。

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